先日、私がいつも拝見している河森先生のサイトで、以下のような書籍が紹介されていました。
早速購入して読んでみましたので、簡単にご紹介しようと思います。
多視点からのアプローチにより、なぜトレーニングをするのか?を問いかける
スポーツに携わる、様々な分野の専門家のコラム集のような体裁をとっています。
最近でこそスポーツ選手が筋トレに取り組むのはごく一般的になりつつありますが、
それでも誤解や迷信から誤ったトレーニングを実践しているケースがあります。
筋トレの直接的な目的はフィジカルの強化であって、競技力の向上ではありません。
競技力の向上には技術練習が必要です。ではなぜ、筋トレをするのでしょうか?
それは競技で得たい技術が技術練習だけでは獲得できない、もしくは獲得に非常に時間を要するからです。
このことを丁寧に、様々な事例を交えて紹介されており、理解を深められる内容となっています。
現場のトレーニングはベーシックなメニューに集約されていると知る
amazonの内容紹介には「実績を挙げたトレーナーたちが現場でのトレーニング例を紹介」とあります。
これだけ読むと、ともすればスポーツに応じて特殊なメニューを実践していると思いがちですが、ここで登場するメニューは数も少なく、極めて基本的なものばかりです。
格闘技については、ある種目が実践の動きに極めて近い動作が存在することから、競技特異的な動きを推奨するよう
な下りがあります。
ただし、これはアスリートがレジスタンストレーニングで獲得した筋力を、パフォーマンスに還元するため手段と捉えているだけであって、基本種目を否定する内容ではありません。
「筋力トレーニングバイブル」との題目から何か意外な種目が掲載されていると思って手に取ると、面食らうと思います。
逆に、既に必要な筋トレ種目は何かを理解している人は、考えに間違いないことがわかるので、自信がつくと思います。
自身のトレーニング内容を自主的に見直すためのエッセンス集
日本では苦しい技術練習を何時間もこなすことを美徳とする傾向があります。
これは技術練習が何よりも競技力向上に直結すると盲目的に信じているためで、結果的に思考停止に至っている恐れがあります。
そこに多角的なアプローチといった考え方はありません。
外国人選手は派手で大雑把と先入観で語られますが、地味で基礎的なトレーニングの重要性については日本人よりはるかに理解が深いと思います。
アミノ酸の桶理論ではありませんが、いろんな観点から偏りなく鍛えていくことが競技力向上につながることを
否応なく気付かされる内容でした。
ここに書かれている内容は、何もアスリートにだけ通ずるものではありません。
例えば私に当てはめてみます。
私は既に30半ばですので、何もしなければ筋力的には衰えていきます。
今から競技力を向上させるには、10代20代に比べてより筋トレが重要な要素になってくるのです。
普通だと筋力低下には逆らえないと諦めて、「ベテランの味」に走るところです。
しかし筋力低下を阻止すれば、「若い頃の勢い」を保ちつつ「ベテランの味」を使えるようになるはずです。
なんとかして身体機能を維持しよう、向上させようという気になりませんか?
ゴルフを始めたり、サイクリングを始めたり、何か新しいスポーツを始めるにしても、筋力があれば競技力向上の伸びしろがたっぷりある状態から始められます。
ぜひ読んでみて、「なぜトレーニングするのか?」に自分なりの答えを見つけてください。