私は基本的に自分で調べて自分で試行錯誤をするのが好きです。筋トレを初めた人であれば、まずはトレーナーの人に教えてもらってというのが普通だと思いますし、絶対にその方が早く成長すると思います。ですが、あまのじゃくなんですかね、一度は独学でやってみないと気が済まないタイプなのです。短い期間で成果を求めているわけでもないから、ということもありますし、お金が勿体ないと感じるから、という面もあります。お陰で中々成長しない反面、トレーニングに関してはスペックの割に色々物知りになったような気がします。これも普段一人でトレーニングをしているので、「個人の感想」でしかないのですが、まぁそんな気がします。
ただ、どうしても自分だけでは打開できないなと感じたときは、パーソナルトレーニングを受けています。全部で7人のトレーナーから受講しました。何度かお邪魔したトレーナーさんもいれば、1回きりだったトレーナーさんもいます。ただ結果的になのですが、7人のトレーナーさんはそれぞれ特徴が異なりました。ある方はその道うん10年のベテランでしたし、ある方はS&Cコーチ、ある方は理学療法士や柔道整復師の資格を持つ方でした。
そこで、いろんな方のパーソナルトレーニングを受けて、感じたことを書き残しておこうと思います。私自身の知識量やアプローチもその時々で違うこともあり、一概にこうだとは言い切れないところはあります。が、他の方の参考にはなると思います。
パーソナルトレーニングを受けて感じたこと
自分の体の状態は自分で把握しておく
私はパーソナルトレーニング受講中に体を痛めたことがあります。ベンチプレスで肘にピリっと電気が走ったのです。その後1週間くらいトレーニングを休んで事なきを得ましたが、ドキッとしました。また、世の中ではこんな事も起きているようです。
クライアントの体調に対するトレーナーさんの配慮は様々です。「調子どうですか?」で終わるトレーナーさんもいますし、ヒアリングしたり、簡単な動作をさせて評価したり、徒手筋力検査などを行うトレーナーさんもいます。でも結局時間の制約もありますから、自分の体を全て理解してもらってからトレーニングを受けることは、事実上不可能です。当然トレーナーさんには安全配慮義務がありますし、クライアントの体を守る責任があります。(無茶なフォームを指導する方もいますが。。。) ですが、怪我をして困るのは自分自身ですので、自分の体の状態はなるべく把握して受講をしましょう。
トレーナーの専門分野を確認する
一言でトレーニングといっても、その内容や分野は様々あります。そして全ての範囲をカバーしているトレーナーさんは存在しません。
例えばボディビル的な筋肥大トレーニングを得意とするトレーナーからは、ウエイトリフティングの基本を教えてもらえないかもしれませんし、球技に必要な身体操作系トレーニングは知らないかもしれません。
ですから、自身の目的とトレーナーの得意分野が合致しているかどうかを確認しましょう。大抵のトレーナーさんはブログやHP、SNSなどの情報発信ツールを持っていますので、それらを確認するとおおよその得意分野が見えてきます。
目的は整理して伝えた方が良い
どんな目的で受講するに至ったかは、必ず伝えた方が良いと思います。簡単でいいです。例えば以下のような感じです。
「健康のためにトレーニングを初めたいけれども、何をすれば良いのか教えて欲しい」
「背中のトレーニングで広背筋の使い方が良くわからないので、教えて欲しい」
「肩がゴリゴリ鳴るので原因と改善トレーニングを教えて欲しい」
「投球動作中に胸郭を上手く使う方法を教えて欲しい」
といった感じです。当たり前なのですが、こちらからお願いして受講するパーソナルトレーニングなので、トレーナーさんの方から勝手に何かが提供されるわけではありません。「何が欲しくてお金を払うのか」、ちゃんと伝えましょう。
私はだいたいA4用紙1枚に受講の目的に加えて、トレーニング経歴、主要種目の記録などを書いて、事前に送付、または持参します。最近気づきましたが、怪我の履歴も書いておいたほうが良いかもしれません。頻繁に受けることが無い限り、トレーナーさんも初対面だったり、何ヶ月ぶりだったりするわけです。トレーナーさんの頭の中に自分の情報は何も無いと想定した方が、スムーズに事が進みます。
全ての疑問が解決されることはない
トレーナーさんも人間なので、いくら専門分野であっても全ての答えを持っているわけではありません。またコミュニケーションの問題で、自分が本当に聞きたいことを伝えられないことで、答えが得られないこともあります。帰り道にはたと気がついて疑問が湧いてくるかもしれません。ですから全ての疑問が解決されることはありません。
私はパーソナルトレーニングを受けることで、何かの気づきを得ることの方が大事だと思っています。ただ受講して、そこで得られたことだけをしていては駄目です。実際パーソナルトレーニングを受けている時間より、それ以外の時間の方が圧倒的に長いです。短い時間で受動的に教わった何かに拘るのではなく、セッション中に得た情報を元に能動的に他の知識を収集する方が生産的です。
何度か通うことでより有益な情報が得られることがある
一つ前とやや被るのですが、初対面の人と上手くコミュニケーションを取って、欲しい情報を引き出すのは難しいです。やはりお互いの理解度の問題や、言い回しの特徴、経験などがありますので、そう簡単ではないのです。例えばクライアントに筋肉名称の知識があれば、「広背筋が収縮して云々」と話ができますが、そうでなければ「背中の筋肉のこの辺がこうなってまして」からスタートしなければいけません。そう考えますと、トレーナーさんは安全側に後者の説明から入ることが多いです。クライアント側にある程度知識量がある場合は、この手の説明はロスでしかありません。
ですから初回のセッションで信頼のできる人だと感じたり、より他の情報が欲しいと感じた場合は、二度三度と通うべきです。そうして自身の身体的特徴やトレーニングに対する姿勢、トレーニングに関する知識量を理解してもらい、より高度な情報を交換し合える関係を築くべきです。
信頼ができて、専門分野が異なる複数のトレーナーさんを知っておくと良い
トレーナーさんは自身の専門分野の立場からアドバイスをしてくれますが、受ける側としては別の角度からの考察もした方が良いでしょう。例えば筋肥大の面で正しいことでも、競技への反映といった点では正しくない取り組みもあります。また、トレーニング手法としては妥当でも、経済的にあるいは時間制約の問題で100%遂行できないこともあります。自分の体は自分が作ることを自覚して、いろんな引き出しを持っておくと良いと思います。
そのためには、専門分野が異なる信頼できるトレーナーさんを知っておいて、自身の課題に基づいて相談先を選択できると良いでしょう。
トレーナーが参考にしている文献に触れるとより良い
トレーナーさんと高度な情報を交換するには、そのトレーナーさんの土俵を知れば良いと思います。SNSなどで紹介されている文献を読んでみたり、パーソナルトレーニング中に聞き出して参考書を読んでみましょう。専門書である場合も多いですので、中々とっつきにくい内容もあるかと思います。ですが目を通しておくだけで、セッション中の理解力が高まったり、次のステップまでの時間が短縮されるはずです。