こんにちは、きっちゃん(@I_am_Entraineer)です。
最近は仕事で英語の論文を読む機会が増えました。しかしながらきっちゃんは英語が苦手です。専門用語だらけの論文を英語で読むのは特に苦手で、なるべく避けてきました。
ところが最近はDeepLが出現して、難解な文章も長文も瞬時に翻訳してくれるので、かなり苦手意識が減りました。わからなければDeepLにぶん投げれば良いので、読むまでの心理的ハードルが下がったのです。読み始めるようになると慣れてきて、DeepLに頼らないで済む箇所はそのまま読むようになります。そんな感じで良い循環が生まれてきたように感じます。
しかしながら、これは論文の体裁とDeepLの問題なのですが、多くの論文(PDF)は不要な箇所に改行が埋め込まれていて、単純にコピペすると、余分な改行を含めてDeepLに入力することになります。そうしますとDeepLは改行にもトークンを割り当て(簡単に言うと意味の割り当て)て解析を行いますので、若干の誤訳が発生します。場合によっては意味を取り違える原因になることもあります。
私は論文はPCで読んだり、iPadで読んだりしています。PCで読む際は画面を並べて読んだりできますし、コピペや上記のような改行の削除も難しくありませんが、iPadでのコピペや、細かい修正は少し面倒です。そこで、DeepLを使いながら、ストレスなくiPadで英語論文を読むために便利なアプリを紹介します。
論文管理アプリ:Paperpile
いくつか論文管理アプリがありますが、私はPaperpileを使っています。
これは、
- chromeに拡張機能があって使い勝手が良い
- iOS、androidアプリがある
- デバイス間の同期が早い
- ストレージにgoogleドライブが使える
- 容易に書き込み可能
- 検索が強い
などなどの理由で使っています。非常に良いです。
翻訳アプリ:DeepL
先程から出てきていますが、DeepLです。
apps.apple.com例えばこんな感じです。
(出典元:C. Perrin, K. Nosaka and J. Steele: Could titin have a role in strain-induced injuries?, Journal of Sport and Health Science, vol.6, no. 2, Elsevier B.V., pp.143–144, 2017.)
まあこれが数秒で出てくるので、何にも困らないですね。ところが、ところがです。少し余計なところに改行を加えてみます。
少し乱れます。「筋肉」と訳されていた箇所が「筋」になっていたり、Journalの名前が2回登場したりしています。これは改行を含めて全体の文脈を捉えて翻訳しているからと思われます。
実際、DeepLは深層学習モデルを応用しているのですが、英単語やカンマ、ピリオドをベクトル表現に置き換えて計算しているので、この可能性は十分に考えられます。
で、実際この改行がどこにあるかよくわかりませんし、iPadだとPCと比較すると操作がしづらくて煩わしいんですよね。そこで次のアプリの登場です。
クリップボードアプリ:クリップボードクリーナー
クリップボードアプリを経由してからコピペします。
apps.apple.comこのアプリはコピペしたテキストに含まれる改行を削除して、プレーンな状態で返してくれるアプリです。ここでプレーンテキストをコピーして、DeepLに投げ込めば、誤訳を極力回避することができます。
おわりに
これでストレスなく論文を読む環境が構築できます。最新技術の動向を掴もうと思うと、どうしても海外の文献にも慣れ親しむ必要があります。一昔前ですと四苦八苦しながら読み解いていたと思いますが、今ならツールを使えばどんどん知識を深める環境を作れますので、是非お試し頂けたらと思います。